岩城 智子 氏 岩城 智子 氏

─ 相続支援の重要性

  不動産業として、管理専門とはいえ、特に大事なオーナーからのご相談事にはお答えできるようにしていこう、ということが一番大きかったです。スタートラインはオーナーに対してサービスを充実させよう、というところにありました。私自身は中途入社で、以前に税関係や相続関係の勉強をしたことがありまして、不動産と相続の問題は切り離せないことはずっと感じていました。

─ 相続セミナーの重要性

  一般講習の時は聞いて学ぶが中心でしたが、上級講習は人前で話すことが中心になるので、そこの免疫ができたことが私的には一番大きかったです。
 最初のオーナーセミナーは20名で募集して26名。2回目は15名募集で18名受講と、相続セミナーは関心が高いために何とか順調に伸びています。
 皆さん、相続に関して漠然と不安があるのですが、知識もないし細かくは考えていない。ただ、セミナーをしていくと真剣に考えてくれるようになりました。一番関心があったのは財産の分け方ですかね。この人には分けたくない、逆にこの人にあげたいなど。こういったところでオーナーとの関係性も深くなっていきます。士業の先生方はちょっと敷居が高いけど、いつも出入りしている不動産屋さんだったら聞きやすいっていうところは確実にあると思います。世間話のように話しているので、たくさんの方ではないですが、通りがかりに声をかけていただく方、帰りに近くのパン屋さんでパンを買って寄ってくれる方もいます。本当にありがたいですね。
 定期的にセミナーに参加いただくと、最初は財産の話をしたがらないところ、徐々に相談したいという気持ちが出てきて、あれも聞かなきゃ、これも聞かなきゃと、話してくれる可能性が高まります。
 集客については、新聞広告を出して以降は半数以上が管理以外のオーナーが参加します。不動産は自宅くらいしかなくて、投資用の不動産を必ずしも持っているとは限らない方など管理のオーナーばかりで集まっているわけではありません。今まで管理営業、管理をさせてくださいという営業をしに行っても会ってくださらなかった、何年も行っているのに、直接お会いしたことも、お話をしたこともない方がいきなり申し込んできたということがありました。会社としても、この間口が広がっている傾向を好意的に受け取っています。

─ 継続していくために

  例えばこういう時はこの士業の先生にこういう風に相談したらいい、というのが徐々に出来ています。今までは相談を受けた時は、ピンポイントで聞かれたことに対して、調べて返すということが多かったですが、例えば一つ聞かれても、こういう場合はこうなど、全体像が見えるようになりました。
 20年も30年も、次の世代もお付き合いをしていきたいという仕事なので、そういう意味でも「ずっと信頼関係を維持できますように」という気持ちで日々業務に励んでいます。

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