山崎 せつ子 氏 山崎 せつ子 氏

─ 相続支援を始めたきっかけ

  入社して21年間ずっとオーナーと接していますが、ご年配のオーナー様が増え、亡くなられる方もおられます。そういった中で、やはり近いオーナーが後継者と相続で揉めているなど、様々なお話をお伺いしますので、その時にこちらからも知識を持ってアドバイスができればさらに関係性は良くなると思います。私自身の経験もそうですが、勉強しなければ話も広がらず、パイプも太くならないと感じて関心を持っていました。
 相続支援の勉強を始めたのは、まず社長が賃貸管理会社から資産管理会社にしないといけないということを、今後生き残るためにすごく強く感じていて、日管協の相続支援コンサルタント講習を受講しました。その流れで私を含めて、弊社から複数名が受講し、皆上級相続支援コンサルタントになりました。現在も受講中の社員もいます。ある程度知識があれば、お客様のちょっとした話から「お手伝いできますよ」という展開ができるので、会社の方針としては、皆が勉強して、お客様のために、会社を大きくするために、頑張っていこうという精神でやっています。

─ 相続支援コンサルタント講習で感じたこと

  講習に参加すると、講師の方が士業の先生だけでなく、自分に近い立場の卒業生(上級相続支援コンサルタント)が実体験からアウトプットを立派にされており、すごく身近に感じられました。大変参考になるのと、皆さんが自分だけの知識だけにしないで、広めていきたいという意欲があり、素晴らしいと思いました。
 一般講習は難しくて困りましたが、上級はアウトプット中心で、一般よりは楽しくできました。何人か顔見知りになって、色々な話も聞かせていただけますし、それぞれ個性があって、発表とかレジュメを作るのも、こういうやり方もあるのだと、大変参考になりました。

─ セミナーがもたらした効果

  オーナーセミナーはもう18回。最初は参加してくださるだろうかと心配でしたが、毎回参加者の方も増えて、定員オーバーになりました。こちらでいうのもおかしいですが大盛況。いま「愛情相続勉強会」という名前で、社長がやっておりまして、3期生を募集しています。後は「資産管理勉強会」を、他の上級相続支援コンサルタントが賃貸オーナー向けに行っていて、こちらも好評です。オーナー同士で困っていることを話し合う場を設け、ああでもないこうでもないと話合っていただきます。私たちが話すより、他のオーナーから同じように困っている事例などを聞くと参考になるようです。少人数で行っているので、すごく盛り上がります。
 また、オーナーに『マルヨシ通信』というものを出していまして、社長が雑学で色々なことを書いている中に、相続の勉強なども入れています。これもすごくいい反響がありまして、これを見てセミナーに参加したいという方や、アパートを買いたいという方もいらっしゃいました。
 徐々にセミナーの成果も出てきていて、社長も含めて皆がやる気になっている。やはり目に見えた成果がでると自然とやる気になりますね。毎回当社のオーナーではない方の参加もあり、和気あいあいとお話する中で、マルヨシさんに管理をお願いしようかということにも繋がりました。こちらから管理いかがですかという話ではなく、まずはオーナーの立場で、空室を埋める対策をどうしたらいいかということをやっていますので、一般的なセミナーでアパートを建てたらいいですよ、というのではなくて、本当に困ったことを素直に聞けて、その場である程度の答えが返ってくることが良い結果につながっているのではないかと思います。
 やはりWin-Winの関係性でないとダメだと思います。セミナーもそういうつもりで実施しています。社長の一生懸命さが、会社全体、社員に伝わっていき、やるぞという風に意識が変わってきている。相続セミナーという部分で頑張っていますが、それが会社全体の雰囲気を良くしているというのを最近特に感じています。

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